[13.59]「精神的に向上心のないものは [16.71]马鹿だ」 [19.01]私は二度同じ言叶を缲り返しました [23.11]そうして [24.21]その言叶がKの上にどう影响するかを见诘めていました [29.79]「马鹿だ」 [32.81]とやがてKが答えました [36.23]「仆は马鹿だ」 [41.23]Kはぴたりとそこへ立ち留まったまま动きません [45.27]彼は地面の上を见诘めています [49.24]私は思わずぎょっとしました [51.92]私にはKがその刹那に居直り犟盗の如く感ぜられたのです [58.84]しかしそれにしては彼の声がいかにも力に乏しいということに気がつきました [67.83]私は彼の眼遣いを参考にしたかったのですが [72.11]彼は最后まで私の颜を见ないのです [76.28]そうして [77.57]そろそろとまた步き出しました [82.14]私はKと并んで足を运ばせながら [85.45]彼の口を出る次の言叶を腹の中で暗に待ち受けました [91.13]あるいは待ち伏せと言ったほうがまだ适当かもしれません [97.2]その时の私はたといKを骗し打ちにしても构わないくらいに思っていたのです [104.82]しかし私にも教育相当の良心はありますから [109.630005]もし谁か私の傍へ来て [112.59]お前は卑怯だと一言私语いてくれるものがあったなら [117.55]私はその瞬间に [119.09]はっと我に立ち帰ったかもしれません [123.7]もしKがその人であったなら [126.42]私はおそらく彼の前に赤面したでしょう [130.81]ただKは私を窘めるには余りに正直でした [137.48]余りに単纯でした [140.22]余りに人格が善良だったのです [144.56]目のくらんだ私は [146.57]そこに敬意を払うことを忘れて [149.8]かえってそこに付け込んだのです [153.43]そこを利用して彼を打ち倒そうとしたのです