[140.0]海と、その深さについて説明する前に、 [140.0]波の発生原理について、 [140.0]私の分かる範囲で説明いたします。 [140.0]波を見ると、水そのものが前進しているように感じますが、 [140.0]水は、ただその場で円運動をしているだけで、 [140.0]移動をしているわけではありません。 [140.0]水は、ただの媒介であり、 [140.0]本質はその伝播されているエネルギーで、 [140.0]様々な現象が波の発生要因となっています。 [140.0]特に風と潮の満ち引きは大きな要因であり、 [140.0]風の中でも偏⻄風や貿易風といった定常的に吹く強風は大きなうねりを生み出します。 [140.0]潮の満ち引きは、月と太陽の引力で、海が引き寄せられ発生するため、 [140.0]緩やかながら地球規模のうねりが生まれます。 [140.0]風浪が発生源から減衰しながら広がっていく自由波に対し、 [140.0]潮汐は、天体の運動によって、 [140.0]恒常的に波形が維持される強制波となっています。そ [140.0]のため潮汐は、地球半周ほどの波⻑を有した、 [140.0]巨大な波であると捉えられます。 [140.0]これら二つの要因は非常に大きなスケールで発生しているため、 [140.0]海岸に打ち捨てられる波の力は200万MWHを超えると推定されています。 [140.0]この波打際に寄せては消える全ての波は、 [140.0]世界の片隅で揺らいだ風や、 [140.0]3つの星の位置関係が複雑に変換された結果なのです。 [140.0]今歩いている波打際にも、 [140.0]これから向かう深海からの漂流物が打ち上がることがあります。 [140.0]それは生物の姿をしているかもしれませんし、 [140.0]眠っていたエネルギーの可能性もありますし、 [140.0]音の形をしているかもしれません。 [140.0]この畏怖すら感じる碧い海の中には、 [140.0]いったい何があるのか実際に潜航して確かめてみましょう。