後ろの席で白い空を見た

さざ波立つ音 微かに

顔無しドライバー

聞いたら耳鳴り

どこへ行くの

渇いた身体で夢から目覚めた

見る度に心 食べられたみたい

本当の傷を疑って痛かった

振れない手を窓の外に少しだけ

まだわからない夜に

ただ暗闇を行く光

探しているとき見つからなかった

別れとは違う さよならのあとで

トンネルのなかでそれに気づいたよ

映写機がうつす灯火のような

まだ何も見えなくて

ただ暗闇を行く光

これからいくつも失くしていくこと

わかっていてわかっていてもう戻れないけど

これからいくつも創っていけること

わかっていてわかっていて

はじめての海を見た

顔無しドライバー

降りたら耳鳴り

渚の人に振る手