ハイ トントン
二十四色の 千代紙を
刻んで風に 乗せましょう
はらはら はらりと
乗せたなら
心も 少しは 晴れ模様
貴方の ひろげた 舞い扇子
ひらり ひらりと 空を舞う
私の 千代紙
紙吹雪きゃ
ひとつも 扇子にゃ 振れもせぬ
千手院の 門前を
秋の香りを まといつつ
からん ころんと 歩いてみれば
はるかな 空に うろこ雲
トン トン トン
トン トコ トン
トトンと回って ハイ トントン
宿の二階で ひとり酒
千代紙折って つまんだら
鶴の 小首も
哀しそう
私の 肩で 泣いている
千手院の 門前を
秋の香りを まといつつ
からん ころんと 歩いてみれば
はるかな 空に うろこ雲
トン トン トン
トン トコ トン
トトンと回って ハイ トントン
もいちどトントン 回って シャン
回って シャン
千手院の 門前を
秋の香りを まといつつ
からん ころんと 歩いてみれば
はるかな 空に うろこ雲
はるかな 空に うろこ雲