象の耳で飛行して
色とりどりのバルーンを割りに行く少年
散り散りになった紙吹雪は
大気圏で空を虹色に彩る
ビルの陰にある吐瀉物のそばで
片足の鳩が一羽
「一緒にどうか?」と誘われた
ノストラダムスの大予言を
待ち望んでいる
死んだ人が写る写真
それも生活感があるほど
その中の時間軸に
自身をトレースする
脳がある種の異常を来たし
夢の中で亡き親族に会える
死というのは本質的に存在し得ない
記憶を持つ
そう、あなたたちがいる限りは
― 蠅を叩きつぶしたところで、蠅の「物そのもの」は死にはしない。単に蠅の現象をつぶしたばかりだ。 ―